首や肩が凝って、呼吸が浅くなる?を詳しく

忙しくなってくると、肩凝りや首凝りのケアに中々時間を取れなくなってくると思います。身体が疲れて、その疲れが取れにくくなってきます。そのメカニズムを、『呼吸』と言う部分に注目して解説していこうと思います。

知らない内に酸欠?

ご自身の生活の中で、『酸欠』を感じる事はありますか?

  • 階段をダッシュした
  • 精神的な緊張がある場面
  • 登山時など、酸素濃度が薄い場所にいる時

などが挙げられると思います。これらは、ご自身の理解があっての酸欠です。『意識に上ってこない酸欠』は、以下の物が挙げられます。

  • 疲労感:身体の細胞が酸素を必要としているため、疲れや倦怠感が現れることがあります。
  • 頭痛:脳が酸素不足になると頭痛が生じることがあります。
  • 集中力や認知機能の低下:酸素が脳に供給されないと、思考能力や判断力が低下することがあります。

こう言った身体の具合、ほとんどの方が感じた事があるのではないでしょうか?これらは実は、身体の疲れからくる酸欠状態であると言えます。ちなみにこれらは、酸欠の初期症状〜中期症状です。重症になると意識が朦朧としたり、臓器の機能不全に陥ります。そんな事はよっぽどの事ですが、こう言った症状は体からのサインであることは間違いないです。早めに治療をしていきましょう。

鍼で酸欠状態が改善されるのか?と言う疑問がありますが、その辺りをご説明いたします。

呼吸の仕組みとは

まず、『呼吸』は、2つの動作の連続で成り立っています。『吸気』と『呼気』です。『吸気』が息を吸い込む時で、『呼吸』が息を吐く時です。

吸気時の動きとしては、肋骨が外側に動き、胸郭が膨らみます。上部と外側の肋骨が上昇し、胸郭が広がります。肋骨と言うのは、斜め下に向かってくっついています。ですので、肋骨が上に向くと胸郭が広がると言う仕組みです。

肋骨の動きと肺の機能の関係

また、背骨が軽く沿って、胸郭が上方に拡がりやすくします。肋間筋と呼ばれる筋肉は、肋骨と肋骨の間に位置し、胸郭の横方向の可動域に影響を与えます。これらの筋肉が収縮すると、肋骨が上昇し、胸郭が拡がります。最後に、横隔膜です。横隔膜は収縮し、平らになります。この動きによって、胸腔が拡張されて陰圧になり、肺の容量が増加し空気が送り込まれるようになります。同時に、胸郭も上昇し、肋骨が外側に広がります。以上が、『吸気』の時に起こる胸郭の動きです。

では反対の『呼吸』時の動きをご紹介します。肋骨は内側に戻り、胸郭が収縮します。これによって、上部および外側の肋骨が下降し、胸郭が狭くなります。背骨は丸くなってきて、胸郭が萎んでいきます。呼気時、横隔膜は弛緩し、その上部がドーム状に戻ります。これによって、胸腔が収縮し、肺の容量が減少します。胸郭は下降し、肋骨が内側に戻ります。この時に、肋間筋も緩んでいきます。

肋骨による制御と肩甲骨の動き

肩や背中の筋肉が凝り固まると、胸郭の可動域が制限され、胸郭が広がりにくくなります。これが進行すると、深い呼吸が難しくなり、呼吸の浅さを感じることがあります。長時間同じ姿勢を続けたり、ストレスや疲労が原因で肩や背中の筋肉が緊張すると、体の姿勢が悪くなり、胸郭の開きが制限されることがあります。肩や背中の筋肉が凝り固まると、呼吸に関与する筋肉も影響を受けます。例えば、背中の筋肉が硬くなると、呼吸に関与する背中の筋肉(脊椎起立筋)の動きが制約され、深い呼吸が難しくなります。

鎖骨の動きの連動

鎖骨は、胸郭の上部にある鎖骨窩と呼ばれる部位と結合しています。この結合部分で、鎖骨の動きが胸郭の上部の形状や可動域に影響を与えます。鎖骨は、呼吸の際に動く重要な要素の一つです。吸気時に鎖骨が上昇し、呼気時に下降します。この動きは、呼吸運動の一部として、胸郭全体の拡張や縮小に関係します。また鎖骨は、肩甲骨と関節を成しています。鎖骨の動きが悪くなる、肩甲骨の動きが悪くなると、互いに制御しあってしまいます。この辺りの治療は、広い視野でよく観察する必要があります。

鍼治療が、酸欠に対してできる事

シンプルですが、こう言った関連のある筋肉を触り分けて、特定の筋肉とポイントを見定めて治療していく事です。ハリナビスでこう言った治療をしていく際には、『大胸筋、菱形筋、斜角筋群、胸鎖乳突筋、前鋸筋、脊柱起立筋の外側部』辺りを触診して、肩甲骨の動きを制限している筋肉、鎖骨の動きを制限している筋肉、肋骨自体を締め付けている筋肉とを分けて凝りの場所を把握してから、ポイントを治療すると言った流れになります。背中の方の筋肉は、厚みが薄くなっている部位があります。そう言った部位は凝りが骨際にへばりついて固まってる可能性があります。そう言った深い凝りを取り除けるのは、鍼治療の強みです。勿論、そう言った部位がほぐれると、胸郭が広がりやすくなって、呼吸がしやすくなります。

関連している部分も非常に大切です。長持ちさせるにはここでご紹介した部位をベースにして、患者様に合わせてカスタマイズしていく必要があります。背中の筋肉が何故凝りやすいのか?猫背になってしまうのは何故か?など、細かく観察し治療していく事で、長持ちさせる事を目的としています。

最後に

身体の疲れや凝りからくる酸欠症状は、じわじわ進行してきます。じわじわ進行すると言う事は、酸欠の身体に、脳が慣れてくると言う事です。身体の中で大きな変化や異変があると、身体と脳はそれに対応することが出来ます。しかし、ゆっくり進んでいくことで、身体が変化を認識せずに放ったらかしになってしまいます。そして、諸症状が出てきます。集中力の低下などは、脳に酸素が回っていない状態です。イライラして、精神状態もよくありません。疲れているのはわかっているが、何をしたら良いかわからなく、それにイライラしてしまいがちです。

そう言ったループに陥っているのは、決して少人数ではありません。是非一度、鍼治療をお勧めいたします。これを読んでくださった方が、良いライフサイクルに戻れることを願います!

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