ここ数ヶ月の間で、首や肩、背中などに痛みや違和感、しびれなどの症状を訴える方が多く、みなさん良くなられたので記録しておきたいと思います。
そもそも、これは何なのかと言う事ですが、これは、肩甲骨と第1肋骨、鎖骨の間にある「胸郭出口」と呼ばれる狭い空間があります。この空間に、腕や胸、肩周りの筋肉を支配している腕神経叢と呼ばれる神経の束があります。この胸郭出口が何らかの原因によって狭くなり、神経や血管が圧迫されることで起こる症状です。これを、『胸郭出口症候群』と呼びます。あまり一般的な名前ではないですが、症状の度合いは違えど、結構多い症状です。
この狭い空間に圧迫がかかると、手や腕、肩などの部位に痛みやしびれが出ることが多く、重症の場合には、血管や神経の障害によって手の血流不良や痙攣、動悸、めまい、などの症状が現れることがあります。
また、首の激しい前後運動によって起こるケガの一つで、『頚椎捻挫性外傷』とも呼ばれる西洋医学での診断名があり、いわゆる『ムチウチ』の事です。主に自動車事故などの衝撃が原因となり、首や肩、背中などに痛みや違和感、しびれなどの症状を引き起こします。胸郭出口症候群に似た病状です。
いわゆる『ムチウチ』や、『胸郭出口症候群』は、腕神経叢の圧迫を引き起きます。そして、痛みを感じる神経が圧迫され、刺激されることで、痛みを感じる信号が脳に送られます。しかし、神経に問題がある場合、痛みを感じる信号が過剰に送られたり、痛みを正確に感じる事ができないことがあります。首の周辺に異常があるにも関わらず、肩甲骨や腕に違和感や痛みを感じ、誤った知覚を引き起こすことがあると言う事です。治療方針は、この圧迫している原因を取り除く事です。
圧迫の原因は、この胸郭出口付近にある筋肉によるものがほとんどです。そして、圧迫の原因のほとんどは『凝り』によるものです。凝りは長時間の同じ姿勢や過度の筋肉の使用、ストレスなどが要因となります。
ではなぜ、この部位が凝るのでしょうか?または痛めてしまったのでしょうか?主な原因を3つご紹介致します。
一つ目の原因は、『風圧』です。正面から風を浴びると、風力に対抗しようとします。そのままでは、顔が上にむいてしまったり、後ろの押されたような姿勢になるからです。扇風機の風邪やエアコンの風が、長時間一定の方向から浴びると引き起こす事があります。
二つ目は、重いヘルメットを被った時や、頭に物理的な衝撃を受けた時です。交通事故のムチウチの症状に近い事から、外的な要因でなる場合も多いです。
三つ目は、筋力低下です。腕や肩周りの筋肉が落ちてきて、首の筋肉で腕をぶら下げたり、位置を固定してしまう場合があります。その際に、余分なストレスをかけてしまって凝りが出来る事があります。
どのように対処すれば良いのでしょうか?胸郭出口症候群は、放っておいてもよくなる事が稀な症状です。悪化して行く、もしくはしつこく居座り続ける場合が多く、慢性的な炎症に移行してしまう事もあります。こうなると治りが遅くなってしまいます。
こう言った症状は、筋肉が硬くなっていて、部分圧迫が起こっていることがほとんどです。硬い筋肉には、温めるのが有効です。ご自身でケアされる際には、首全体を覆うように湯船でタオルを濡らして巻きつける事で、鎖骨周り全体を温める事がオススメです。もしくは、薬局やドン・キホーテで売っている、身体に貼るめぐリズムがオススメです。カイロのように患部に貼る事ができ、カイロとは違う温め方が出来ます。黄色のマーカー辺りを目指して、温めるようにしてください。
そして何より、『鍼治療』がよく効きます。ただし、技術を持った鍼灸師でないと、ポイントは探せません。刺すのも凝りを探すのも難しい部位ですが、効き目はバッチリです。
ここ最近で来院された方は、皆さん1回で良くなったようです。ご報告のご連絡を頂いております。当院のお近くの方で、お困りの方は、是非一度御来院ください。お待ちしております。
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