不眠症と聞くと、自律神経の激しい乱れや精神的な症状だとよく思われています。原因も不明な事が非常に多く、とにかく薬を服用して様子を見るという事がほとんどです。アメリカでは、不眠症に効くサプリメントのコーナーがスーパマーケットに設けてあるほど、かなり一般的な症状の一つです。そして、それだけ悩んでいる方も多いという事です。
不眠症が何故辛いかと言うと、日中の眠気に襲われる事と、疲れが取れ切れていないと言うことにあると思います。また、肩凝りや腰痛と同じように、第三者からの理解が得にくいといった点に於いても、ご自身を追い詰めて抱え込んでしまう傾向にあります。薬を飲んだり、生活を意識的に少し変えてみたりと、工夫をしてもなかなか効果が現れない点もストレスになる要因です。また、原因が特定できない事も多く、それがさらにストレスになってしまい、なかなか抜け出せないと言う方も多くおられました。
不眠治療のご説明の前に、まずは睡眠のメカニズムを少しお話致します。
人は入眠の前に、体温が少しずつ下がっていきます。寝ている時の体幹温度は、34〜35℃になるそうです。体幹の体温が下がる前に、まずは手足の血管が広がっていきます。血管が広がる事で、血管が外気に触れる面積が大きくなります。血管の中を通っている血液が外気に間接的に当たり、血液が冷えやすくなります。そうする事で、手足の抹消部分から徐々に血液が冷えてきて、体幹の温度も少しづつ下がってきて、だんだんと眠くなると言う仕組みです。雪山で遭難した時に、睡魔に襲われている相方を必死に起こそうとする場面をよく見た事があると思います。それは、体温が下がって眠くなり、寒い中でそのまま眠ってしまって亡くなってしまうと言う事です。
寝ている間は脳も身体もリラックスしています。実はこの、リラックスしている時間が、免疫細胞がしっかり働く時間です。しかし疲れ過ぎていたり、日中に過度なストレスを受けていたり、食生活が乱れていたりすると、免疫力が下がってしまい、十分な働きが出来なくなります。どういう事かと言うと、免疫細胞による細胞の修復が間に合わなかったり、修復が不十分になってしまったりします。つまり、寝ても疲れが取りきれていない状態だと言う事です。
また、睡眠時の呼吸が浅いと酸素の運搬が不十分になってしまいます。せっかく免疫細胞に元気があっても、細胞を修復する為の酸素や水分が不足してしまい、上手く細胞が修復されません。結果、なんだか疲れが取れていないような感覚になります。大工さんはたくさんいるのに、家を作る材料が無いため、家が作れない。と言うようなシチュエーションと似ていると思います。
基本的にはこれら3つの睡眠の仕組みが、総合的に良いサイクルで回る事で、睡眠の質が保たれているのです。一つでも欠けると、良い睡眠とは言い難いです。一度悪いサイクルに入ってしまうと抜け出すのが難しくなってしまう場合が多く、そうなってしまうとやはり治療が必要になります。
ハリナビスでは、これらの原因を一度に全て治療いたします。
ふくらはぎ、腕のツボを使って末端の血流を良くしていきます。中国医学でも、頭に登った余分なエネルギーは、手足のツボに鍼を刺す事で散らす事ができると言う記述があります。
免疫細胞は、小腸に多いです。なのでお腹を温めながら反応のあるツボに鍼をします。
肩凝りや背中の凝りをほぐし、深く呼吸出来るようにします。特に背中や首、肩甲骨周りが硬くなると、胸郭が上手く広がりません。凝りを取って柔らかくして、胸郭の柔軟性を高めます。
睡眠障害は日常生活にかなり支障が出やすく、メンタル面でも疲れが出やすくなってしまうので、早期の治療が望ましいと思っているためです。薬でのコントロールも併用しながら、最終的には自力で質の良い睡眠を取れるようになる事が理想だと思います。
1日でも早くそうなれるように、よく観察をして治療いたします。
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